嬉泉

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嬉泉の想

【保育】4歳児グループ:運動を楽しむ会を通して

4歳児が『運動を楽しむ会』(小学校会場で運動をテーマに発表する行事)で何を行うか話し合ったときのことです。

何がやりたいか子ども達に尋ねると、ある子どもは凧揚げを提案。また、ある子どもは玉入れ。また、ある子どもは徒競走、ダンス、鉄棒などなど。子どもの人数分だけの提案が出されました。

その時の担当保育者が「じゃあ、全部やろう。」と言い、子ども達から出た提案内容を紙にまとめ、提案順にやらせてみたのです。すると、子ども達は自分が出した提案内容の時は楽しいようでしたが、他の提案内容は楽しかったり、楽しくなかったり。子ども達にとっては何とも言えない内容だったようです。

その後、どうだったか話し合ってみると、子ども達から「やることが多すぎて疲れた」「長い」「ごちゃごちゃしてる」等の意見が出され、さらにどうするか聞いていくと、「全部は多いから、いくつかにまとめよう」ということになったのです。

この後も、やってみては話し合うことを繰り返していき、最終的にどうなったのかというと、「徒競走的凧揚げ玉入れ」となり、実際にやってみた子どもたちも口を揃えて「すごい、楽しい」と言っていました。

話し合いの際、子ども達は各々が口々に意見を出し合うことが想定されます。この場合、よく保育所で見受けられるのは、子ども達同士で話し合っても意見がまとまらないことや、子ども達が出した内容を発表するのでは、保育士側の労力が大きいこと、発表時の見栄えを考え、保育士が考える方向へと導こうとしてしまうことです。

しかし、この事例では、子ども達の力を信じ、出されたすべての意見を実践することで、どうすれば一つの内容にまとめることができるのか、子ども達に考えさせる機会を与えました。このことによって、子ども達はこの発表を自分たちのことと受け止め、主体的に取り組んだと言えます。