浜ノ園 武生
Takeo Hamanosono
彼は、写真や図鑑、市川さんのデザインした絵などを手本にして創作している。手本の描写といっても、その出来上がりはデフォルメされ、全くといっていいほど手本とは違った色と形になって、あらわれてくる。そこには、彼独自の色や形の捉え方やイメージがあり、作品は彼のオリジナルになっている。中には、一つの作品を半年かけて仕上げるものもある。
平成10年、アートバンク(現アートビリティ)大賞新人賞を受賞した。平成12年1月には、篠原佳年著「生死同源」(幻冬社刊)の装丁に「ニワトリ」の絵が採用された。
持田 想一
Souichi Mochida
彼は、動物や魚や昆虫の図鑑などを手本にして絵を創作している。彼の絵の特徴は、第三者から見ると同色としか見えない部分を異なる色で表現するなど、独特な色のとらえ方やイメージがあることである。クレパスの色を混ぜて新たな色を作ることを覚えてから画風に変化があらわれ、その見たこともない色で構成される画面は、彼の持つイメージの世界を感じずにはいられない。
平成5年にメキシコ在住の画家、竹田慎三郎氏のアドバイスを受け、それまでの小さな画面から大きな画面にチャレンジした。すると背景や色使いにも幅が出て来た。平成9年にアートバンク(現アートアビリティ)大賞新人賞を受賞した。
市川 浩志
Hiroshi Ichikawa
学園が陶芸を始めるきっかけを作ってくれたのが彼である。学園の開設当初、近場の窯場で作った作品がとてもユニークで、この才能を大事にしたいという思いから陶芸の活動が始まった。彼は、馬とチャボ、ヒョウタンなどを好み、馬やチャボの首を付けたコーヒーカップなどを作った。その後、牧場で馬を見たり、本や写真などを見てイメージを広げたり、働いてためたお金で国内海外と好きな旅行に行き、その感動を取り入れた力強い作品を完成させている。平成11年秋頃から絵をはじめ、多彩な色を使って描くなど新たな才能を発揮している。
平成12年7月、アートバンク(現アートビリティ)登録作家の認定を受けた。
黒林 真
Makoto Kurobayashi
彼は、お寺の屋根瓦が理路整然と並んでいるとか、パチンコ台の釘が模様を構成しているなど、連続模様の集合されたものに関心をもっている。陶芸を始めた頃は、立体的な作品のイメージができず、平面的な作品になりがちだった。立体を表現できるようになってからは、ゴリラの体毛やワニの皮膚など、自ら考えだした技法で表現し始めた。細かいパーツを一つ一つ丁寧にはり付けていく集中力には驚かされる。
彼の創造した「空想の動物シリーズ」は、とてもユニークな作品である。
袖山 高清
Takakiyo Sodeyama
平成12年6月頃から週1回、アトリエに来るようになった。模写能力がとても高い人であったが、模写だけでは彼の持つイメージがどんなものか分からないので、模写はやらないようにした。動物を中心にイメージをさせ描いてもらった。はじめの頃は、職員に手を持たせるなど自信なさそうに描くことが多かったが、慣れてくるにしたがって、どんどん自分のイメージを出して描くようになってきた。予想以上にイメージを持っており、現在は動物の体に「ビヨヨーン」と言いながら縞模様をつけ楽しんでいる。
大胆な色使いやきめ細やかな塗り方に特徴があり、その才能を発揮している。また、水彩画もはじめている。
秋山 住江
Sumie Akiyama
陶芸を始めた頃は、立体的な作品にはならずに平面的な作品だった。立体的な作品を作るようになったきっかけは、彼女の描いたダルマを職員が単純に2つの球を重ねて見せたことだった。作品が立体的になることで、彼女の作品の特徴であるかわいらしさが、ますます生き生きと表現されるようになり、作品は小さいが伸びやかな作品ができるようになった。
作品は、職員との会話の中から生まれる。「お話シリーズ」や「走っている」「寝ている」などの動作からイメージを起こして創作している。また、絵にも本格的にチャレンジし、陶芸同様に彼女らしさを醸し出し、よりイメージを広げている。